Apr 22, 2016

Japan Cultural Envoy for 2016 : 平成28年度文化庁文化交流使 は佐藤可士和さん、佐野文彦さん、土佐尚子さんら6名!!



今年度この名誉ある交流使として世界を周り活動する6名は佐藤可士和さん、佐野 文彦 さん、土佐 尚子 さん、日本舞踏家 藤間闌黄さん、落語家 柳家さん喬さん、ダンサー 山田うんさん。

さて、平成28年度 文化庁文化交流使指名書交付式 この単語、漢字だけ見ると長いしどこがなにでなんのこっちゃ?となると思いますので、私が今回取材するにあたって調べたことを含めてご報告◎



 今回のこの交流使の中で私が注目した方は土佐尚子さん。京都大学の教授であり、アーティストの土佐さんは伝統文化と先端技術を融合したメディアアートを制作されていらっしゃいます。実は私、メディアアートってとっても好きなジャンル。空間で多くの人が楽しめる、鑑賞出来る可能性を秘めたアート。でも私自身は全然苦手な制作ジャンルだったりします。。。土佐さんの作品を知ってびっくりしたのは、とても力強く日本的な作風であること。そして制作方法や過程含めた全体です。そんな土佐さんの作品はこちら

「サウンドオブ生花」





静けさと力強さが共生する映像美。メディアアートをされている方の中でちょっと異質に感じませんか??
メディアアートってピコピコしていたり、オシャレでグラフィックデザイン的なものが多く感じるのですが、土佐さんのは時間の感覚がなんだかとっても不思議な美しさ。見た瞬間 むむむ、なんでだ??とじっくり見たのに理由が分からなかったのですが、なんとその理由は制作方法にありました。
多くはCG(コンピューターグラフィック)で制作されたものだと思うのですが、どこか固いと言うか不自然なものが多い。(私はその違和感が特に気になってしまう方なのです)なんと土佐さんはCGを使わずに、ハイスピードカメラで実写撮影を行って制作していたのです!!

土佐さんのお話によると、実際に岩絵の具という日本画の顔料を用いて色の液体を制作し、 このような弾ける仕組みを作り上げ、実際に1秒あたり2000枚の映像を撮影出来るカメラで 瞬間に生まれる色や形の芸術を記録し、編集を行い、この大きなスクリーンに映し出しているのです。
この制作秘話をお伺いした時に ふと頭をよぎった方がました。大学院の時に授業お世話になったHASHIさんというNYで活躍された写真家の方の瞬間の美を捉えるスティル・ライフ、というシリーズ。

アートの捉え方や在り方は様々なタイプがあり、どれが良い悪い好き嫌いというのは難しいと思うのですが、私はその瞬間、その時代 そこにしかない何かを形にしているもの、好きです。瞬間の芸術をテクノロジーの力で美しく捉え、演出する土佐尚子さんの作品は、思わずじーーっと眺めてしまいます。
ぜひ、琳派400年祭のプロジェクションマッピングもご覧ください◎




About NAOKO TOSA
Artwork
naokotosa.com
research
 http://www.tosa.media.kyoto-u.ac.jp/index.html




28年度文化庁文化交流使の6名について、勉強も兼ねて近年の略歴と交流使としての活動をまとめました◎

佐藤可士和さん http://kashiwasato.com
株式会社サムライ代表取締役 / クリエイティブディレクター
2006年の今治タオルのブランディングプロジェクトや、ユニクロのグローバル戦略の海外活動歴、そして2016年には有田焼創業400年事業として「メゾン・エ・オブジェ出展プロジェクト」をパリにて、、、とグラフィックデザインに始まり多岐に渡ったディレクション経験を有する 知能派クリエイティブディレクター。交流使としては、欧米における様々なビジュアルコミュニケーションの実例に関するレクチャーや現地デザイン関係者との交流を行い、日本文化に根ざす今の日本のクリエイティブデザインへの理解の促進を、今後の交流の活性化を目指すとのこと。


佐野文彦さん http://fumihikosano.jp
建築家 / 美術家
大工として、技術や素材、文化などと現場で触れ合った経験を現代の感覚と合わせ、新しい日本の価値を作ることを目指してデザインやインスタレーションを手掛けている佐野さん。2015年に21_21DESIGN SIGHT 単位展に『UNIT of MUJI』にて参加し、交流史としてサジア、欧州、南米等において伝統的な「数寄屋造り」の技法をベースに、各地で現地素材やアーティストとのコラボレーションを通じて美術作品を制作するそうです!

ホームページを開いたら大変かっこいい。。。ぜひチェックしてください。まだ34歳、若手とは思えない勢力的な活動がとても勉強になります。


土佐尚子さん http://www.naokotosa.com
アーティスト / 京都大学教授
感情・意識・物語・民族性といった人間が歴史の中で行為や文法などの形で蓄えてきた文化を、デジタル映像で表現し、心で感じる「カルチュラル・コンピューティング」を提唱。ニューヨーク近代美術館、メトロポリタン美術館でもの招待展示をはじめ、国内各地の美術館で作品が収蔵。冒頭でご紹介した2作「サウンドオブ生花」はシンガポールでのプロジェクションマッピングにて2014年グッドデザイン賞を受賞。「土佐琳派」は2015年には京都府事業である琳派400年プロジェクションマッピングとしてを京都国立博物館で開催。交流使として世界各地でレクチャー・ワークショップ、そしてシンポジウムなどを通じて発信されるとのこと。

左、藤間蘭黄さん。右 佐野文彦さん。

左、佐藤可士和さん。右 山田うんさん。



藤間蘭黄さん
日本舞踏家
江戸時代から続く「代地」藤間家の後継者。芸術選奨文部科学大臣賞、文化庁芸術新人賞など数多くの賞歴を持ち、2015年にはロシアの世界的バレエダンサー、ファルフルジマトフ・岩田守弘とのコラボレーション企画「出会い」公演で『信長-NOBUNAGA-』を初演。
交流使として日本舞踏の紹介と実演及びワークショップや、現地アーティストとの共同制作などを行います。

個人的に日本舞踏と他国の伝統舞踏とのコラボレーション、かなり興味津々です。実は私の日本舞踊の師匠 藤間蘭翔さんの師匠であります!!ので5月5日に国立劇場にて行われる紫紅会にお邪魔する予定です!

柳家さん喬さん
落語家
1967年に五台目柳家小さんに入門し、1981年に真打昇進。古典の人情噺や滑稽噺を得意とする実力派。1987年に選抜若手演芸大賞真打部門対象及び 文化庁芸術賞受賞から数々の受賞歴。交流使として主にアメリカの日本語学習者等に、小噺のレクチャー、落語を通じた日本語・日本文化理解を促すほか、高座も行い「表現活動」としての落語の世界の奥深さを伝える。

落語って実はあまりご縁の無い世界だったので、このアメリカでのレクチャーは私も参加してみたいなと活動内容を読みながら興味津々です。


山田うんさん http://yamadaun.jp
振付師 / ダンサー
器械体操、バレエ、舞踏などの経験を生かし、日本における希少なコンテンポラリーダンスのカンパニーとして意欲的に作品を発表し、国内外で注目される。異分野とのコラボレーションも行う他 演劇、オペラの劇中振り付けや新体操選手への振り付けも行う。交流使として作品の実演、実技指導、現地のダンサーとの情報交換、現地の文化環境や地域伝統芸能等のリサーチを行うとのこと。

今回はじめて知った山田さんですが、自己紹介の際に山田さんがダンサーになる前の経歴についてお話されており、とても感動しました!ということで、またお会いする機会を作りたいと思っております!


文化庁 宮田亮平長官と。





余談ですが、文化庁文化交流使指名書交付式。と続けると、なんだかむずかしそうな字面ですね、、、

文化庁=日本の文部科学省の外局のひとつ
文化交流使=これが今回の選抜された面々の方々。毎年 日本の文化を世界に広めるべく文化人、芸術家の中から数名が選出され、世界の国をまわり それぞれの専門分野において実技・実演・講義や制作を行うもの

つまり、文化庁が交流使を指名する、書面の交付を行う式のことでした。


文化交流使の6名のみなさんについて、実際に公演を拝見したりしながらゆっくり勉強させていただこうと思っております。引き続きおたのしみに!!


文化庁文化交流使ホームページ http://culturalenvoy.jp
Japan Cultural Envoy HP                http://culturalenvoy.jp/en/